
同じオブザーバビリティプラットフォームにログがなければ、弊社の主要インシデントマネージャーは、問題が顧客に及ぼす具体的な影響を特定できず、初動で適切に対応することができません。Dynatraceなら、これができます。
回復力の高い銀行システムの推進
Nationwideは世界最大の住宅金融組合です。英国で貯蓄される8ポンドのうち1ポンドを管理しています。Nationwideは実店舗とデジタルチャネルの両方で業界最高水準のカスタマーサービスを提供することを強みとしているため、事業継続性とサービスの可用性が極めて重要です。金融サービス業界自体が、デジタルシステムの耐障害性を強化し、サービス停止を最小限に抑えるよう規制当局から圧力を受けているため、このことはさらに重要になっています。Nationwideは、競争力を確立するため、IT運用をサービス指向へと転換し、各チームがデータを活用して質の高い意思決定を行えるようにしています。
Nationwideは、そのデジタルトランスフォーメーションを通じて、エンタープライズコマンドセンター(ECC)がエンドツーエンドのカスタマーサービスジャーニーを管理できるようにすることを目指していました。その目的は、ECCがハイブリッドクラウドテクノロジースタックにおける個々のコンポーネントの管理ではなく、サービス品質の向上に注力することでした。これを実現するため、Nationwideは全社的なオブザーバビリティ戦略を採用して、ツールの統合を推進し、ECCチームが手作業に費やす時間を削減しました。最終目標は、ECCが、問題が発生した場合にそれを特定し、顧客に影響が及ぶ前に解決できるようにすることでした。
カスタマージャーニーをエンドツーエンドで可視化
市場の評価後、Nationwideは、その統合型プラットフォームを活用したアプローチにより、Dynatraceを選択しました。Dynatraceを使用することで、Nationwideはカスタマーサービスジャーニーに対してエンドツーエンドのオブザーバビリティを確保できるようになり、ツールの統合に大きな可能性をもたらしました。また、Dynatraceを使用してECCの初動対応業務を自動化することで、コスト効率を向上させ、チームが顧客への影響が最も大きいインシデントの解決に集中できる体制を整えました。
NationwideのITインフラストラクチャーおよびサービス提供部門ディレクターであるPaul Walsh氏は次のように話しています。「当組合のサービスは、一般市民がスーパーマーケットで買い物をしたり、通勤列車の切符を購入したり、日常生活を送るうえで重要な国家インフラの一部です。業務の回復力は非常に重要です。顧客が必要なときに確実に資金を利用できるようにするためです。何らかの問題が発生した場合、その場所と原因を速やかに特定する必要があります。だからこそ、オブザーバビリティに対する統合アプローチが必要でした。従来はITデータに依存していましたが、Dynatraceを導入したことで、ビジネスメトリクスと組み合わせることが可能になりました。これにより、チームはこれまでよりも速やかに対応し、顧客に質の高いサポートを提供できるようになりました」
Dynatraceにより、インシデントの影響を受けた顧客数とその影響度を即時に把握できるため、顧客にとって可能な限り最善の対応を行うことに注力できます。
Dynatraceのある生活
- ビジネスの可視性:NationwideはDynatraceを活用して、ビジネスサービスラインのダッシュボードを構築しました。これにより、エンドツーエンドの顧客体験を1つのビューで可視化しています。ECCは、テクノロジーとビジネスメトリクスを組み合わせることで、問題の性質、規模、影響をすばやく評価できます。これにより、影響を受けた顧客の数と失敗した取引の総額を特定できます。次に、ECCはインシデントに優先順位を付け、まず最も緊急性の高い問題の解決に注力できます。
- 意思決定のスマート化:Dynatraceでメトリクス、トレース、ビジネスイベントと一緒にログをキャプチャすることで、Nationwideはオブザーバビリティツールを統合でき、効率化を推進しました。インフラストラクチャー、アプリケーション、外形監視におけるトランザクションに関するこれらすべてのデータソースを1つのプラットフォームに集約することで、Nationwideは、Davis AIを使用して、問題の原因に関する詳細なコンテキストを提供することで、従来よりもスマートでスピーディな意思決定を行うことが可能になりました。
- 回復力の向上:開発環境にDynatraceを導入することで、Nationwideはエンジニアリングチームが「シフトレフト」手法を採用できるようにしました。新しいコードをデプロイするときは常に、エンジニアはすでにバグを特定して解決しており、リスクを最小限に抑え、サービスの回復力を向上させています。Dynatraceを使用することで、Nationwideはオブザーバビリティガードレール、基準、コントロールを作成し、エンジニアが最も緊急な問題を適切なタイミングで警告できるようにしました。これにより、速やかに対応してカスタマーサービス体験を守ることができます。
- サービス指向の業務:将来的には、NationwideはDynatraceを使用して、アラートが発生したときに自動的に問題を解決する自己修復ワークフローをトリガーし、ECCが手作業で介入する必要性を減らすようにしていく予定です。この機能は、大きな問題を未然に防ごうとするNationwideの取り組みに非常に有益なものとなります。それでも問題が発生した場合、設定されたサービスレベル目標(SLO)をDynatrace Davisと組み合わせることで、問題は主要インシデントマネージャーに即時に通知され、速やかに対応できるようにしています。
Nationwideのサービスオペレーション部門責任者であるKate Bristow氏は次のように話しています。「Dynatraceの導入により、常時接続のサービスを維持でき、時間とコストを削減し、顧客にこれまでよりも質との高いサービスを提供できるようになりました。すべてのログ、メトリクス、トレース、ビジネスデータをDynatraceで管理することで、問題の背景の全体像を把握できます。これにより、顧客が受けている影響を理解し、最も必要とされている場所にリソースを振り向けられます。結果、Dynatraceを採用したことで、サービス運用を事後対応型から事前対応型へと移行でき、システムの回復力を向上させるとともに、サービス可用性を高めることができました」
DynatraceのSLO機能を利用することで、問題発生時の平均検出時間と解決時間を大幅に短縮しています。これにより、障害発生の瞬間から主要インシデント対応チームへ通知が可能となるためです。
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