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概要

データドリブン経営に向けクラウド移行を進めるグローブライドDynatraceの導入により障害対策の迅速化と運用効率の向上を実現

Globleride feature image
Dynatraceは、レガシーからクラウドへの複雑な移行のジャーニーを照らす『灯台』であり、データドリブン経営を実現するための『羅針盤』です。

グローブライド について

  • 釣り用品を中心とした総合スポーツ用品メーカー
  • 日本国内と欧米・アジアに製造・販売拠点を展開
  • DAIWAブランドの釣具は世界トップシェアを誇る
  • グループ全体の売上収益は約1,300億円規模

業界

  • 製造業

事例の概要

クラウド移行とマルチ環境の混在により、障害原因特定や運用効率の課題が顕在化
全スタックの可視化と因果AIの分析能力を評価し、PoCを経て短期間で展開
障害原因の即時特定とMTTR短縮を実現し、ツール統合による運用負荷軽減を達成
グローバル監視体制強化とAI活用基盤の拡張によりデータドリブン経営を推進

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システム可視性の欠如と個別の運用体制に課題が

グローブライドは、「A Lifetime Sports Company」というスローガンのもと、地球を舞台にスポーツの新しい楽しみを創造し続ける企業だ。1958年に大和精工として創業して以来、世界ナンバーワンシェアを誇る釣り用品ブランド「DAIWA」をはじめ、ゴルフ、ラケットスポーツ、サイクルスポーツなど幅広い分野で高品質な用品を製造・販売し、ライフスタイル全般を支える総合スポーツメーカーとしての地位を築き上げた。

そんなグローブライドでは、2030年に向けた「データドリブン経営」の実現を目指すデジタル戦略を推進しており、その中でIT部門が優先事項として取り組んでいるのが「ホストオープン化」だ。

「当社では、長年基幹業務を支えてきたメインフレーム上のシステムを、クラウドERPやオープン系システムへ移行するプロジェクトを進めています。サイロ化した業務とデータの統合による迅速な意思決定を実現するとともに、AI活用による業務効率化にも取り組んでいます」(グローブライド 管理本部 情報システム部 システム基盤課長 二禮木聖志氏)

二禮木氏によると、クラウドへの移行を選択した理由は「レガシーからの脱却」と「グローバルでのデータ統合」だという。オンプレミスのメインフレームはブラックボックス化が進み、維持コストの高騰や技術者不足、ビジネスの変化に対する柔軟性の欠如が課題となっていた。この課題を解決するために、同社はMicrosoft AzureとAmazon Web Services(AWS)によるマルチクラウド戦略を採用。基幹業務領域はクラウドERPとの親和性が高いAzureをメインとし、スマホアプリ「MyDAIWA」やECサイト、デジタルサービスは開発の柔軟性に優れたAWSを活用している。

このプロジェクトを進めるうえで課題となっていたのが、システムの可視性が欠如していることだ。

「メインフレームとオンプレミスサーバー、クラウドが混在する過渡期において、システム全体を横断してパフォーマンスや障害原因を特定することは困難です。70社以上のITベンダーと取引がある中、責任分界点が曖昧になりやすく、障害が発生した際の調査に膨大な時間を要していました。統一の運用監視ルールはなく、ベンダーごとに個別最適化されたツールが乱立した状態でした。とくにECサイトのわずかな遅延やエラーはブランド価値の毀損に直結するため、統合的な監視体制の構築が急務でした」(二禮木氏)

高い可視性とAI分析能力からDynatraceを選定

そうした課題を解決するために、二禮木氏が注目したのが「Dynatrace」だった。「前職で別のオブザーバビリティツールを使っていたこともあり、Dynatraceには以前から関心を寄せていました。そうした中、セキュリティツールの検討をきっかけに出合ったアイ・アイ・エム(IIM)が、国内有数のDynatrace導入実績を持ち、高い技術力とノウハウを有していることが分かりました。製品選定の際にDynatraceと他社製品を比較したところ、オンプレミスとクラウド、データ基盤まで幅広くカバーできるのはDynatraceが唯一でした。課題を解決できるのはDynatraceしかないと直感し、導入を決断しました」(二禮木氏)

グローブライドは、メインフレームを稼働させながらクラウド移行を進めているが、すべてのシステム構成を一貫して可視化できるのは、Dynatrace以外に存在しない。そうした複雑なシステム構成への対応力が、Dynatraceを選定した最大の理由だ。さらに「Dynatrace Intelligence」の因果AIによる分析の自動化を実現できることも決め手になった。あらゆるデータから根本原因を自動的に特定するDynatrace Intelligenceを使えば、運用負荷の削減に大きく寄与すると考えたという。

Dynatraceの導入にあたっては、3カ月にわたるPoC(概念実証)を実施し、実際のアプリケーション環境での有効性を検証した。その後、IIMの支援を受けながらわずか2カ月という短期間で幅広いプラットフォームへの展開を完了させた。「導入プロセスではPoCの期間をしっかり設け、可視化できないという課題が本当に解決するかを厳しくチェックしました。IIMは私たちの厳しい要求にも伴走し、技術的な裏付けを持って導入を支援してくれました」(二禮木氏)

Dynatraceの適用範囲は、各種PaaS/SaaSやクラウドリソースをはじめ、オンプレミスサーバー、メインフレームにまで及ぶ。ユーザーの操作からアプリケーション、サービス、ホスト、インフラ層までを対象に、単一の視点で全スタックが把握できる統合オブザーバビリティプラットフォームとして活用している。

「現在はシステム基盤課のチームを中心に、約120台のサーバーの運用状況をDynatraceで常に監視しています。クラウド全般の運用を委託しているアウトソーシング先のベンダーにもDynatraceを展開しています」(二禮木氏)

障害対応の高速化と運用効率向上を両立

Dynatraceの導入後、グローブライドでは「システムの完全な透明化」や「解決までの劇的なスピードアップ」といった効果が得られているという。中でもDynatrace Intelligenceによる分析により、従来のツールでは困難だった原因の即時特定を可能にした。自然言語でデータ分析が行える「Dynatrace Assist」の利用も開始しており、1日の障害状況の要約などをAIに問いかけることで、調査時間の即時化を実現している。

「Dynatraceを導入したことで、MTTR(平均修復・復旧時間)は確実に良くなっています。また、統合データレイクハウス『Grail』にすべてのログが集約されているため、監査対応の工数が大幅に削減されました。マルチクラウド環境の設定ミスやリソース異常も可視化できるので、いまやガバナンス維持に欠かせないプラットフォームとなっています。定量的な効果測定はこれからの段階ですが、コールを受けてから解決するまでのスピード、とくにアウトソーシング先との連携スピードが格段に上がったと実感しています」(二禮木氏)

他ツールとの統合においても、Dynatraceは大きな役割を果たしている。従来はシステムや用途ごとにバラバラだったログ分析ツール、APM製品、クラウド監視ツールをDynatraceの統合プラットフォーム上に集約したことで、3~4種類のツールを削減。ツール乱立によるコスト増、運用手順の複雑化という問題が解消された。

「釣り用品のイベント開催中にアクセス集中によってWebサイトがダウンするという事態が発生したのですが、Dynatraceがデータベースのボトルネックをリアルタイムに検知し、どのデータベースがどのような要因で落ちているかを提示してくれたため、現場で迅速にスケールアップと接続上限の調整を実施し、わずか10分という短時間で復旧に成功しました。もしDynatraceがなければ、原因の特定に半日はかかり、イベント期間中の売上機会を大きく失っていたことでしょう」(二禮木氏)

現在は、Dynatraceのローコード・カスタムアプリ開発基盤「AppEngine」の活用も進めている。具体的にはECサイトやオンラインサービスの「UX健康度スコアダッシュボード」を構築し、RUM(リアルタイムユーザーモニタリング)やトレースデータから顧客体感を可視化するアプリを開発中とのことだ。さらにサービスごとにSLA/SLO(サービスレベル目標)と実績を計算し、即時評価できるアプリの構築も検討している。

今後の展開としては、Dynatraceの利用範囲を国内からグローバルへ拡大させて全世界の拠点を統合的に監視し、グループ全体のITガバナンスを強化する体制を目指しているという。このほか、自社独自生成AIの性能可視化にもDynatraceを活用し、AI活用によるビジネス効率化を技術面から支えていく計画だ。

「Dynatraceは、レガシーからクラウドへの複雑な移行のジャーニーを照らす『灯台』であり、データドリブン経営を実現するための『羅針盤』です。当社が目指すのは単なる監視の自動化ではなく、ITがビジネスを自律的に加速させる未来です。その中心にDynatraceを据え、グローブライドのデジタル戦略を力強く進めていきたいと考えています」(二禮木氏)

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