エンドツーエンドのオブザーバビリティ(可観測性)およびセキュリティ分野のリーダーであるDynatrace(NYSE: DT、日本支社:東京都千代田区、日本支社代表執行役社長:徳永 信二)はこのたび、Dynatrace 創業者兼CTO Bernd Greifenederによる「オブザーバビリティの次のステップを定義する主要トレンド」の日本語版を公開いたします。 

 

企業がさまざまな ITインフラやソフトウェアの複雑化に対応する中で、オブザーバビリティはますます重要性を増しています。しかし、オブザーバビリティがシステムメトリクスやログを監視することだけを意味していた時代は終わりました。2025年には、オブザーバビリティがインテリジェントで自律的かつサステナブルな IT運用のベースとなるでしょう。 

この変化は、ハイブリッドクラウド環境、AI駆動型サービス、進化するコンプライアンス要件の管理において、企業がかつてない課題に直面している重要な節目に起こっています。従来のシステム監視やメンテナンスに対する受動的なアプローチは組織が信頼性、セキュリティ、パフォーマンスを確保する方法を変革するような、最新の予測的なパラダイムへと移行しつつあります。 

2025年を見据えると、オブザーバビリティの新たな局面を定義する重要なトレンドが浮上しており、デジタル時代におけるビジネスやイノベーションのあり方を根本的に変えることになるでしょう 

 

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オブザーバビリティ(可観測性)の次のステップを定義する主要トレンド  

  1. オブザーバビリティが予防的なものへと変化
  2. 継続的なコンプライアンスを中心に、オブザーバビリティとセキュリティが統合
  3. ITサステナビリティに真剣に取り組むうえで、オブザーバビリティは必須
  4. AIを活用したサービスにとって、AIのオブザーバビリティが不可欠に
  5. AIOpsの復活

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  1. オブザーバビリティが予防的なものへと変化

予防的なオブザーバビリティが、サイロ化されたシステムから相互接続された自律的なシステムへと移行することで、組織は信頼性と回復力を確保する方法を刷新するでしょう。これらのシステムは、AIを活用してデジタルサービスのリアルタイムのコンテキストを理解し、分散環境全体でシームレスに機能します。この機能により、問題の発生前に自動的に予測して防ぐことが可能になります 

限定的なコンテキストの理解により実現が困難だった従来のIT運用向けAI(AIOps)のアプローチとは異なり、新世代のAIを活用したオブザーバビリティ機能は、システム全体からのインサイトを統合して、根本原因の特定、連鎖的な障害の予測、そして自律的なリアルタイムでの対応を実現します。 

ハイブリッドおよびマルチクラウド環境を基盤とする自律的なシステムでは、予防的なオブザーバビリティ機能によって、分散システムのオーケストレーションという複雑なタスクが自動化されます。運用に影響が出る前に問題を予測して解決することで、企業はサービスの可用性を確保し、ダウンタイムを最小限に抑え、運用コストを削減することができます。このプロアクティブかつコンテキストを認識するアプローチは、運用効率の向上につながり今後業界標準となることでしょう。 

 

  1. 継続的なコンプライアンスを中心に、オブザーバビリティとセキュリティが統合

2025年には、コンプライアンスは静的な取り組みではなくなるでしょう。継続的なコンプライアンスは、EUのデジタルオペレーショナル・レジリエンス法(DORA)などのセキュリティ基準や規制の枠組みによって推進される、リアルタイムで動的なシステムへと進化していくでしょう。このような変化によって、オブザーバビリティとセキュリティの統合に対するニーズがさらに高まり、コンプライアンスへの対応や冗長なデータ収集の削減、そして脅威の検出とインシデント対応を強化するための、統合されたインサイトが組織に提供されます。 

例えば、AIシステムは継続的に脅威の出現を監視してリスクを評価し、設定の調整を行います。このような調整は、人が確認して承認することも、自動的に適用することもできるため、組織は業務を中断することなくコンプライアンスを維持できます。このような人が関与するアプローチは、特に規制違反を管轄機関や国家管轄当局(NCA)に報告する必要がある場合、説明責任を維持するうえで不可欠なものになります。 

オブザーバビリティとセキュリティの融合によって、規制上のメリットを組織にもたらすだけでなく、さらに巧妙化するサイバー脅威に対応できるようになります。オブザーバビリティは、セキュリティ担当者のデータを監視したり分析したりする範囲を拡大し、レジリエンスの強化とコスト削減に必要なコンテキストを提供します。オブザーバビリティをセキュリティ戦略に統合することで、組織はリスクが高まる時代に自信を持って事業展開するために必要な信頼を築くことができるようになります。 

 

  1. ITサステナビリティに真剣に取り組むうえで、オブザーバビリティは必須

クラウド環境やAIを活用した業務が増大し、組織がエネルギー需要の高まりに直面している中、2025年にはサステナビリティが中心的な課題となるでしょう。 

オブザーバビリティプラットフォームは、AIワークロードのエネルギー消費の監視と最適化、非効率性の特定、インテリジェントなワークロードの分散を実現するうえで不可欠なものになるでしょう。さらに、オブザーバビリティによってエネルギー効率を最適化すると、運用コストが削減されるだけでなく、クラウドプロバイダーが設定したサステナビリティの取り組みにも沿うことになります。このアプローチによって、エネルギーコストが上昇したり、サステナビリティに関する規制が厳しくなったりしたとしても、組織は競争力を維持することができます。 

エネルギーを大量に消費するAIワークロードが一般的になり、EUのグリーンディールや企業サステナビリティ報告指令(CSRD)などの地域的な義務付けによって新たなサステナビリティの目標が推進されるようになると、サステナビリティの取り組みが必須になります。IT戦略にサステナビリティを取り入れることができない組織は、コンプライアンス違反や評価の低下、コスト増のリスクに直面することになります。サステナビリティに関するレポート作成にとどまらず、運用の最適化に必要となる詳細なインサイトを提供することで、オブザーバビリティは変革において主導的な役割を果たすことになります。このような変化によって、組織はイノベーションと環境への取り組みのバランスを取ることができるようになります。 

 

  1. AIを活用したサービスにとって、AIのオブザーバビリティが不可欠に

デジタルトランスフォーメーションが進むにつれ、AIベースのサービスの台頭によって新たな複雑性が生まれるため、今まで以上にオブザーバビリティが重要になります。オブザーバビリティによって、チームはコスト、AIドリフト、ユーザーエクスペリエンス、トランスペアレンシー透明性を念頭に置きながら、パフォーマンスと信頼性を備えた新しいAI搭載のデジタルサービスを構築し、運用できるようになります。これらの機能によって、組織は安心してAIテクノロジーを大規模に展開できるようになります。 

企業が予兆保全、財務予測、サイバーセキュリティなどのためにAIを活用したサービスを展開するにつれ、オブザーバビリティプラットフォームはシステムパフォーマンスの監視にとどまらず、AIクエリへの可視性も取り込むようになるでしょう。このトランスペアレンシー透明性)により、組織は潜在的なエラーを特定し、バイアスを修正し、ビジネス目標と倫理基準の両方に沿った意思決定を行うことができます。 

2025年は、組織が重要なサービスの強化にAIをさらに活用するようになるため、オブザーバビリティの役割はより大きくなるでしょう。オブザーバビリティによって、エンドツーエンドの可視性と実用的なインサイトを提供することで、組織はAIシステムを自信とともに拡張し、説明責任を維持し、リスクを軽減し、信頼を構築できるようになります。オブザーバビリティはオプションの機能強化ではなく、安全で効果的なAIを活用したサービスを提供するうえで必須の要素となるでしょう。 

※AIドリフト:AIのモデルやシステムが、初期の状態や目的から意図しない変化を起こす現象 

 

  1. AIOpsの復活

AIOpsは、運用を変革する可能性があると以前から言われていましたが、テクノロジーが断片化し、コンテキストが限定的であったため、潜在能力を十分に発揮することができませんでした。2025年は、AIシステムが効果的にコミュニケーションやコラボレーションを行えるようになったことを追い風に、AIOpsはようやく潜在能力を発揮することになるでしょう。この進化により、企業や組織がITやビジネス運用を管理する方法が刷新され、予防的な運用の新たな基準が確立されるでしょう。 

この画期的な進歩は、共通の目標に向かって連携する多様なAIテクノロジーの組み合わせから実現します。相互に接続されたAIシステム(予測に特化したもの、コンテキストの精密処理に特化したもの、修正の提案に特化したものなど)を通じて、AIOpsはインテリジェントな自動化とリアルタイムの根本原因分析を実現します。これらのシステムは、障害を予測し、問題が拡大する前に解決して、ビジネスの継続性を確保します。これらの機能を統合することで、AIはより深いインサイトを提供します、そして、コンテキスト内のデータを分析し、運用上のフィードバックから継続的に学習することで、より正確なアクションを実行できるようになります。 

AIOpsの復活によって、効率性とレジリエンスに関する業界のベンチマークが刷新されるでしょう。タスクの自動化、運用コストの削減、そして市場投入までの時間を短縮することで、企業は今までにない俊敏性を得ることができます。組織が成功するためには、高度なオブザーバビリティソリューションに投資し、チームがAIを活用した運用の持つ可能性を最大限に引き出せるようにする必要があります。 

 

組織が急速に進化するデジタル環境に直面する中、オブザーバビリティはIT運用の未来を形作るうえで不可欠な役割を果たすでしょう。新たなトレンドを取り入れる企業は、技術的な課題をチャンスに変えて、より強靭で効率的かつ革新的なデジタルシステムを構築していくでしょう。明日のデジタル世界では、高度なオブザーバビリティは単なる利点ではなく、成功に不可欠な要素です。 

 

詳細は、Dynatraceのブログ(英語)をご覧ください。 

 

Dynatraceについて 

Dynatrace (NYSE:DT)は、世界中のソフトウェアを完璧な状態で運用するために存在します。Dynatraceのエンドツーエンドプラットフォームは、広範で深いオブザーバビリティ(可観測性)と継続的なランタイムアプリケーションセキュリティをDavis® ハイパーモーダルAIと組み合わせ、膨大なデータから得られる“答え”とインテリジェントオートメーションを提供します。企業のイノベーションを支援、クラウド運用の近代化(モダナイゼーション)と自動化を実現し、より迅速かつ安全にソフトウェアを提供して、完璧なデジタル体験を可能にします。世界有数の大手企業が、Dynatrace ®プラットフォームを信頼し、デジタルトランスフォーメーションの推進のために活用しています。詳細についてはこちらhttps://www.dynatrace.com/ja/をご覧ください。 

 

<本件に関する報道関係のお問い合わせ先> 

株式会社井之上パブリックリレーションズ 

Dynatrace PR担当:岡崎、馬宮 

Email: dynatrace@inoue-pr.com